トルコ出張
今週は、米国航空宇宙協会(AIAA)と米国電気学会(IEEE)の共同で行われたRAST(Recent Advantages in Space Technology) 国際学会に参加するため、イスタンブールに行ってきました。宇宙技術を地上へ技術移転していくための特別セッション(Special Session on Space for the developing World)も開催され、日本の大学も含めて11個の論文が発表されました。

JAXA,つくば大学、名古屋女子大学の先生たちと一緒に記念写真

この学会と同時に、この日は、私が毎年担当している「一日科学者になろう」と言う若手向けの科学イベントもあり、イスタンブールの各区から集まった250人の高校生が宇宙ステーションを設計する、というワークショップを行いました。

各グループ10人のメンバーとエスキス

このワークショップも、今年で3回目になります。指導教官は68人にもなり、外国人の専門家以外、最初から参加していた高校生は、今年で大学生になった若手も多くいます。8時間に及ぶスタディの結果、20個のデザインが出来上がりました。この中から選ばれたデザインは、後日、国際学会の「若手が考える宇宙の未来」で発表をし、高い評価を受けました。

また、トルコの南東の田舎町にも行き、小学生たちと会ってきました。トルコの教育システムにはばらつきが大きく、大変残念なことに田舎に行くと教育レベルが格段に下がってしまいます。しかし、どんな所へ行っても子供は一緒で、「知りたい」「新しい経験がしたい」と言う好奇心を強く感じます。僕ら、大人が時間を作って自分たちの経験をちゃんと伝えて行くこと、何より好奇心を持って経験を積む姿をみせることは大切だ、と強く感じました。

田舎の子供たちの記念写真

6月10日は弟の娘「アズラ」ちゃんの1歳の誕生日でした。僕たちの文化ですと、数百人が参加するパーティを開催して、みんなでお祝いするのですが、僕は仕事の関係で出席はできませんでした。ドイツから2時間の所にいるのに参加できなかった僕のため、アズラの写真が送られてきました。どんどん女の子らしくなっていく感じがします。

1歳になったアズラちゃん

当日のパーティは、人が多くてアズラはイヤがって泣きぐずり、弟夫婦は非常に苦労したらしいのですが、なぜかおばあちゃん(僕の母)が抱くと泣きやむのだそうです。僕の母親はこれをとても喜んでいますが、弟の奥さんはもちろん同じ気持ちにはなれず、弟は夜、奥さんに怒られたそうです。。。笑
「タイムマシン」韓国版
うれしいお知らせです。
先日「タイムマシン」韓国版が発売されました。

まったく読めませんが、それでもうれしいものです。笑

今、たまたま韓国のソウル大学で教鞭をとっているオリバーも、実名でコメントを寄せてくれています。韓国語が読める方、ぜひ入手してみて下さい。

今週末から、トルコ出張にいきます。様子はまたトルコからご報告するつもりです。では、行ってきます。
5月の近況
久しぶりの更新になってしまいました。先週は、僕と学生合計8人のチームで、和歌山県串本町大島区へ調査のため出向きました。

串本町の大島区

町と区の協力を得て、4日間をかけて個々の住宅の設備、環境などを調査しました。高齢化と過疎化が加速度的に増しているこの街では、インタビューに答えてくれる方々もご高齢のおじいちゃん、おばあちゃんたちです。調査チームには、僕だけでなく台湾人、イタリア人の学生などもいて、観光客も来ず昼のお弁当を買うお店すらない大島では異例の光景だったのではないかと思います。笑 今回の調査結果をさらに今後の串本のプランに反映させ、具体的な実現案の提案へと落とし込んでいく予定です。

また、昨日はメディアアートセンターICC主催のシンポジウム「ミッションG」へゲスト出演しました。

ICC主催のシンポジウム

「ミッションG」は、科学とアートが融合を遂げた先に拓ける新たな世界、未来を考えるというコンセプトで、僕は科学者という立場で参加をさせていただきました。確かに、人類がこのままの状態では未来に夢はない、僕もそう感じています。けれど未来を決めるのは環境ではなく、経験、体験です。アートや科学、人とのコミュニケーションなどを通じ、僕たちがあたらしい経験をしていくことが何より大切であり、そういう場を作りだそうとする人たちが集まったこのようなイベントに参加できたことを光栄に思っています。

そして、僕自身もそんなビジョンを自分なりに形にし提供したいと思い、下記のような活動もスタートさせる予定になっています。興味のある方は、是非ご参加ください。
http://serkancollege.jp/
10+1年目の始まり。
先日、僕の誕生日&滞日10周年の祝賀パーティーを行いました。当日は平日にも関わらず、会場には200名以上の友人たちが集まってくれ、さらにはトルコから両親も駆けつけてくれました。


振り返れば10年という年つきはあっという間ではありましたが、実はひとつの国に10年もいたのは僕の人生では初めてのことです。最初はさっぱりわからなかった地下鉄の乗り継ぎも、複雑な道路も今では完全にマスターし、地方出張も全く問題なくこなせるようになりました。こうなると、なおのこと日本という国は平和で過ごしやすい国であると感じます。僕の両親も、最初のころは「日本は遠すぎる。」とぼやいていましたが、今回で3度目の訪日となった今では「日本でがんばれば?」と言ってくれるようになりました。笑


また、先週末には静岡で行っている子供ワークショップへ両親も同行し、日本の子供たちと触れあったりイチゴ狩りをしたり、健康ランドへ宿泊したり、マッサージを受けたり、初めてづくしの経験を堪能してもらいました。

10+1年目の日々はこのようにもう始まっています。僕のこれからの10年がどうなっているか、未来のことは誰にもわかりませんが、ここ日本でいろいろな人たちと出会い、活動をしてきたことを心からうれしく思っていますし、これからも日本との縁を大切にしていきたいと思っています。みなさん、よろしくお願いします。
ただいま
先週末、カナダから帰国しました。予定していたモントリオール大学でのスタジオワーク以外で、みなさんに報告したい面白いことがひとつあります。それは当市にあるカナダ宇宙庁へ呼んでもらったことです。

カナダ宇宙庁長と開発部長と見学

カナダ宇宙庁と言うと、この世界では国際宇宙ステーションに搭載されているロボットシステム「カナダアーム2」の開発で有名なところです。その前身である「カナダアーム1」は、スペースシャトルに搭載されている優秀なロボットアームで、その成功の結果、「カナダアーム2」は2001年4月にNASAから打ち上げられ、国際宇宙ステーションの組立と整備において、今も重要な役割を果たしています。機材や補給品を動かしたり、宇宙飛行士の船外活動を支援したり、ステーションに取り付けられている器具やその他のペイロードを補修する、という任務をすべてこなすこのロボットアームがなければ、今の宇宙における研究開発活動はもっともっと大変な苦労が伴うものとなっていたはずです。

そして、現在この宇宙庁にある研究所では、「カナダアーム2」をさらに進化させるための研究が進められていました。今回は、その様子をとても近くで見せてもらえることとなりました。こんな機会はなかなかないもので、とても貴重な体験となりました。

中でも、僕個人が一番興味を持っているのはロボットが動くアルゴリズムです。「カナダアーム2」は、ステーションの背骨部分を移動し様々な「ドッキング」と呼ばれる作業を行っていますが、驚いたことにその「ドッキング」作業の際に、次の司令やエネルギー、情報の読み取りも同時に行っているのです。これはとても最先端なアプローチであり、僕が取り組んでいる研究にあるスマートシステムへ応用すれば、大きく研究が発展する可能性にもつながる重要なヒントとなるものでした。

「EXPO1967]のアメリカ館

そして、モントリオールでもう一つ思い出すのは、1967年に開催されたモントリオール万国博覧会ではないでしょうか。今ではほとんどのパビリオンはなくなっていましたが、二つだけ現在もそこに残されていました。一つはアメリカ出身の建築家、はたまた思想家、デザイナー、構造家と言われ、様々な視点を持ったバックミンスター・フラー氏が設計したアメリカ館です。建築業界で知らない人はいないほど有名なこの建物は「ジオデシック・ドーム」と言われており、現在は「バイオスフェア」と呼ばれる博物館になっています。もう一つは「アビタ67」集合住宅です。モントリオール万国博覧会時代には、住宅計画が主要なテーマの一つであったため、その一環として建てられたのだそうです。

スタジオメンバーと記念写真

モントリオール大学における、約2週間に及ぶデザインスタジオも無事に最終日を迎えました。三つのグループが考えた串本町・通夜島におけるインフラフリーシステムの発表を聞いていると、それぞれから出たアイデアは、すべて独自性と豊かな創造力にあふれ優劣つけがたいものばかりだったため、僕はみんなに「A+]という評価をあげてしまいました。笑

インフラフリーという研究はまさに国境を超えていくことができる研究になり得ると、学生たちが強く感じてくれたことは、僕にはとてもうれしいことでした。そして、遠く離れた外国の学生たちが見た日本、描いた串本・通夜島へのデザインワークを、いつか地元の方々にも聞いてもらいたいと思っています。
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